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トピックス -新商品

2016年06月02日

ビットコインの普及には何が必要か

企業家ネットワーク記者 青山柊

ビットコインの普及には何が必要か

 ビットコインとは何か。一言で言うと、「仮想通貨」である。

 はじめて千円札を使って買い物をした時のことを今でもはっきりと覚えている。私は大好きなあさのあつこさんの小説を買った。700円ほどの本だったと思う。薄くて軽い紙切れが、作者の思いを含みずっしりと重い本の対価であるという事実に奇妙だなと感じた記憶もある。
 多くの人がそうであるように、私にとって「通貨」とはそういうものだった。ほしいものの対価として支払う、手にとって目に見える姿形が存在するもの。

 しかし、ビットコインはそうではない。「仮想通貨」、つまり手にとることはもちろん目にも見えないのだ。

 まず、ビットコインには、発行を司る組織や流通を管理する組織が存在しない。その代わりに、コンピューターのネットワークを利用して通貨が管理されている。メリットとしては銀行が仲介しないので監視や制限が存在しないことが挙げられる。そのため、手数料も支払わなくて良い。これは個人間の少額な支払いにおいては非常に重要な特徴だ。

 そんなことがありえるのだろうか、と思うかもしれない。しかし、似たようなことは現在、我々の身近でもう実現されている。電子マネーだ。電子マネーとはICチップを内蔵したカードや携帯電話に入金することで「通貨」を使わずに、電子的に決済を実現する手段を指す。電車に乗るときのICカードや、コンビニでの支払いなどがこれに当たる。もう日常に深く浸透していると言えよう。これは確かに一見「仮想通貨」であるビットコインとよく似ている。しかし、両者には大きな差がある。

 電子マネーは、「円を使える」所で利用できるのに対し、ビットコインは、「ビットコインを使える」所でしか利用することができないのだ。オンラインゲーム内での通貨を例に挙げると分かりやすいかもしれない。

 そもそも「通貨」というのは人々の「信用」のもとで成り立っている。これはローマ時代、通貨の純度を低下させ大量生産を行った結果、通貨の価値が格段に落ちたことが裏付けている。「通貨」だから「信用」するのではなく、「信用」されているから「通貨」として使用できるのだ。

 円は既に人々の信用を得ている。それは厳重な中央銀行の存在や通貨の安定性が評価された結果だろう。

 だからこそ、原価が16円の千円札で私は700円の本を買えたのだし、原価が19円の1万円札を人々は「イチマンエン」の価値があるものとして認識する。

 ビットコインが今後さらに普及するかどうかは、この「信用」の部分に懸かっていると私は思う。現在は、実の子どもが親を殺す事件が増えているなど、目に見えるものを信用することすら難しい。果たして、目に見えない「仮想通貨」が「信用」を手にすることはできるのだろうか。

 



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