2017年10月25日
被選挙人は正々堂々と戦え
企業家倶楽部デスク 相澤英祐
先週末、10月22日に第48回衆議院議員総選挙が行われた。今回、東京都で投票に赴いた方は、政党の名前を書く比例代表候補の中に「支持政党なし」という記載があったのに気付いただろうか。
実はこの「支持政党なし」、歴とした政党で、今回は代表の佐野秀光氏を筆頭に4名が比例東京ブロックから立候補していた。全員落選という結果ではあったが、12万5019票(得票率2.10%)を獲得し、社会民主党(5万6732票、得票率0.95%)、日本のこころ(4万592票、得票率0.68%)などを大きく上回った。
彼らが掲げるのは「政策一切なし」。それだけ聞くと、当然「では、仮に国会議員を輩出したとして何がしたいのか」との反駁が想定されるが、「支持政党なし」の公式サイトなどで説明を読むと、以下のような主張らしい。
自分の考え方と全く同じ政党が無い場合、比較的考えの近い政党に摺り寄せる形で投票せねばならない。しかし、7~8割の政策には賛同できても、残り2~3割に関しては本来ならば反対したかったところ。したがって、議案や法案ごとにインターネットなどを通じて国民の採決を取り、その「賛成・反対」の割合に応じて「支持政党なし」の議員が国会の場で票を入れる仕組みとしたい。よって、「政策一切なし」という論理である。
通常の選挙でも投票率が低迷する中、数多ある法案の一つひとつにどれだけの採決が集まるのかは疑問だし、政党でありながら具体的な国策の創出を他人に委ねてしまっているのはどうかと思うが、確かに「政策一切なし」を掲げる理由としては一応筋が通っている。
ただ、「支持政党なし」という名前はいかにもズルい。「今回は支持したい政党は無い」と迷いながら投票所を訪れた有権者の中には、「支持政党なし」の表記を見て、政党と知らずに「棄権」のようなつもりで投票してしまった人もいるだろう。
有権者が「支持政党なし」が政党であるという事実、そして彼らが「政策一切なし」を掲げる理由などについて理解した上で、確信を持って投票を行うのであれば、何も言うことは無い。しかし、誤解を招くような政党名を故意に付け、言わば有権者の勘違いを誘って票を得ようという魂胆が見え隠れする「支持政党なし」のやり口は卑怯に思える。インターネットを利用した新システムなどの主張があるのだから、党名を変え、「政策一切なし」といったキャッチーな文言も控えて、正々堂々と戦ってはどうだろうか。
今回の選挙では、民進党が崩壊する中、希望の党に靡いた議員は「どんな手段に訴えても票が欲しい」と刹那的に考えているように見えてしまった。逆に立憲民主党からは「政治信条を曲げてまで他政党を頼ることを良しとしない」という気迫が伝わった。その結果が、議席数にも如実に反映されたと言える。正々堂々と戦う者を、国民はしっかり見ているのだ。
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