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2019年08月30日

AIで現代病解決

企業家倶楽部記者 菊池久実


   近年、精神疾患と一部の認知症の国内患者は419万人と、1999年の204万人から2倍以上に増加している。厚生労働省も、精神疾患をがんや脳卒中に並ぶ五大疾病の1つに指定している。

   そんな中、広島大学は機能的MRI(fMRI)の画像を人工知能(AI)に学ばせて、うつ病の患者を7割の精度で識別することに成功した。この実験では、うつ病患者と健康な人を66人ずつ集めてAIに学ばせた。今後は識別の精度を高め、診断支援ソフトウェアを開発して、5年後にも実用化を目指す。


   また、国立精神・神経医療研究センターは、パーキンソン病の前段階である患者55人の脳のMRI画像と、健康な70人のMRI画像をAIに比較させた。その結果、患者の脳内で共通して活発に動く領域を発見。当センターも5年後には診断支援ソフトウェアを開発すると発表した。


   精神疾患を治療する際には、問診などで医者が患者の感情を読み取ることが不可欠だ。しかし、精神疾患は症状が複雑なため、問診だけでは病名が明らかにならない場合もある。そういった際にAIによるデータを用いることで、病名が特定できずに悩まされる医者や患者の手助けにもなると期待される。

   
   また、機械学習によって物事を推定できるAIの強みを活かし、効率化を図ることで人手不足解消にも繋がる。広島大学や国立精神・神経医療研究センターが開発するソフトウェアを用いれば、過疎化により医者不足に悩まされる地方の医療機関でもきちんとした診断ができるようになるはずだ。


   こうした精神疾患のリスクを推定する技術を含め、AIによって便利になることは多い。しかし残念ながら、AIを利用してこれまでにない軍事技術を生み出したり、AIを使って得られた情報を不適切に扱ったりする国や企業の報道が見られるなど、AIを使う人の倫理観が問われる。AIが普及する中で、是非人々を良い方向に導くための最先端技術として使っていきたい。 



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