2012年10月26日
iPhoneゲームの選りすぐり情報が集積する 「ゲームタイムズ」
一里舎
iPhoneアプリの登録数は65万以上に上り、その2~3割を占めているが「ゲーム」である。ただ、新作ゲームは多岐に渡るジャンルで日々リリースされており、iPhoneユーザーがランキング・口コミ以外で、「お気に入りのゲーム」と巡り会うのは難しい。
一里舎が提供するアプリ「ゲームタイムズ」には、iPhoneゲームの選りすぐり情報が集積する。ランキング圏外のゲームを中心に、「皆が知らない、だけどオススメ!」というゲームを一早く紹介していく。競合となるファミ通Appや神アプリ、AppBankなどに比べ、ゲームタイムズは初心者向けの情報発信を主とした。ゲームを疑似体験できるような、読み物感覚の記事を中心に据える。
各記事はゲーム好きの契約ライターが執筆する。記事本数や執筆内容など各ライターには自由度を持たせており、現在は6名のライターと契約、毎日6〜8本の記事を更新している。ファミ通出身者や女子大生ら、個性豊かな執筆陣が揃っており、その内4名は「お願い投稿サービス」のWishScopeの公募を通して加わった。ダウンロード数は公開1カ月で2万を超え、年内に10万を目指す。
一里舎CEOの藤原俊介は立教大学経済学部を卒業後、2007年にインターネット広告代理店大手のセプテーニへ入社した。「自分が考えた企画を世の中へ送り出したい」という意識が強かった藤原は、就職活動で広告業界を選択、その中でも成長著しいネット広告に的を絞った。
同社では広告営業を2年間担当するが「当初、起業という道は全く考えていなかった」と藤原は話す。だが、ある取引先の社長との出会いが、起業への道に結びついた。その経営者はベンチャー精神が旺盛で、藤原と会う度に「経営の面白さ・醍醐味」を楽しそうに語り続けていたという。藤原は当時をこう回想する。
「最初は『そうですか・・・』と聞いているだけでしたが(笑)、ずっと聞いている内に、その方の話に惹かれていきました。こういう働き方も素敵だな!と感じ、独立を決意したのです」
セプテーニを退職したのは2009年10月。そして翌月、モバイルアプリのベンチャーへ入社した。「ベンチャーの創業がイメージできない」という思いがあったため、まずはマンション創業直後のスタートアップで1年間関わることを決めた。
「ここでは特に、人間関係の重要性を再認識させられました。社員2〜3人の会社なので、コミュニケーションが円滑になるよう意識しました」
そして藤原は2010年11月、一里舎を立ち上げる。IT業界では珍しいこの名前の由来は、藤原の出身地・千葉県の九十九里から紐付けている。さらに、一里にスタートという意味を込めると共に、横文字の会社名が多いネット業界の中で覚えられやすいよう、漢字名にしている。
同社は創業から現在まで、エンジニアの浅瀬石大貴とのパートナー経営を続けている。浅瀬石は、藤原のセプテーニ時代の取引先だったが、同い年ということもあり気さくな関係にあった。そんなある日、浅瀬石が退職の意思を藤原に打ち明けた。
「最初は『公認会計士を目指す』と聞いていました。『がんばって!』と応援していましたが、突然『iPhoneのアプリを作った』と言うのです。色々話していたら意気投合し、一緒に起業することを決めました」
しかし2人とも貯金はなく、資本金は1万円もない状態でのスタートだった。
そこで設立当初は、ツール系からエンタメ系まで幅広くアプリの受託開発をこなした。その中でも、引き合いが一番強かったのがゲームだったという。2人はゲーム市場の中での勝負を決断するが、どちらもゲームメーカー出身ではない。そこで「ゲームそれ自体」で挑むのではなく、「ゲームのメディア」という立ち位置で勝負することを決めた。
それと時を同じくした2011年末、一里舎はVOYAGE GROUPの若手起業家育成プロジェクト・BOATへ入居する。藤原は「シェアオフィス・BOATを利用して最も良かった点はVOYAGE GROUPさんをはじめとする、今旬のITベンチャーの方々と繋がりを持つ事ができた点」と語る。
ユニークなメンバーが集うBOATの入居企業であるが、他のメンバーと違う点が2つあるという。1つ目は、出資を一切受けておらず、受託開発で資金を回しながら運営している点だ。
「シード期の数百万円単位なら受注で賄えるので、今は資金調達の必要がありません。必要となるのは、事業の柱が確定した後の数千万円単位〜数億円単位となるでしょう」
2つ目は、iPhoneのアプリ市場に特化している点だ。確実に伸びて行く産業であるのに対し、この分野のエキスパートはまだまだ少なく、需要が高い。
ただし、この経営スタイルを貫く上では、資金・納期・人間関係の苦労も多かったという。例えば、「ゲームタイムズ」のサービス開始は当初、2011年末を予定していたが、受託案件の影響もあり2012年9月へ遅れたという。営業や開発とは違う、メディアならではの難しさを痛感する中、2人は日々改善を続ける。
「最初がゼロスタートだった分、雪だるまを転がして大きくしていく感覚を持っています。私たちはこの成長産業を通して、世の中にインパクトを与えたい」
そう意気込む藤原は、ゲームタイムズの編集長としてライターから届く記事に目を通す一方で、一里舎の経営者として各地を奔走する。
ふとした瞬間にゲームタイムズをのぞいてみれば、気分転換できる面白いゲームと巡りあうに違いない。(土橋克寿)
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