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(企業家倶楽部2021年7月号掲載)

　コロナ感染が心配で１年以上も帰省していない。実家の父母は大丈夫だろうか。元気にしているだろうか。

　子供たちにとって、離れて暮らす親の心配のタネは尽きない。ましてコロナ禍で気軽に帰省することさえままならない今は、そのストレスも大きい。
　
　そんな悩みを解決してくれる画期的なサービスがセコムから提供される。クラウド型のスマホアプリによる「安否みまもりサービス」だ。

　「セコム・ホームセキュリティ」の オプションサービスとして、６月１日からスタートした。

　これは玄関や、窓、室内に設置した「セコム・ホームセキュリティ」の防犯センサーの検知情報を、「セコムみまもりクラウド」に蓄積して分析。離れた場所に住む家族を、「いつでもみまもりアプリ」で、ゆるやかに見守るというものだ。

　生活リズムがいつもと違っておかしいとか、元気に動いていないなど、気になった時は「いつでもみまもりアプリ」から、セコムに駆け付けを要請することもできるというサービスだ。

熱中症対策にも
　まだ梅雨にも入っていないのに真夏の暑さが続く日々。

　昨今、酷暑が心配される日本の夏だが、きちんと冷房を使っているだろうかと、一人暮らしの親の熱中症を心配する人も多いことであろう。そんな心配にも応ええてくれるのがセコムのサービスだ。

　「温湿度センサー」を設置すれば、「いつでもみまもりアプリ」から温度と湿度が確認でき、熱中症が心配される時期に役立つ。

　また、より手厚い見守りが必要になった親のために、転倒など姿勢の変化や就寝中の呼吸の有無をリアルタイムで確認できるセンサーとの連携も計画中だ。

　その他、「Apple Watch 」で取得する歩数・消費カロリー・運動時間といった活動量や、心拍数などのデータとの連携によるヘルスケアサービスの提供も検討中という。

　きめ細やかなみまもりサービスの価格が気になるところだが、「安否みまもりサービス」の利用料金は、ひと月110円（税込）という驚きの価格だ。安否確認要請による駆け付け料金は、1回11,000円（税込） 、温湿度センサーのレンタル料金は、ひと月550円（税込） という。

　いずれのサービスも、別途「セコム・ホームセキュリティ」月額7,590円（税込）の契約が必要となる。

　「セコム・ホームセキュリティ」は1981年に導入、今や利用者が約145万件と、多くの家庭に「安心」を提供している。

　セコムというと警備や防犯、防災を思い浮かべる人が多いが、実は高齢社会が進展する日本の現状を鑑み、一人ひとりの日常に寄り添った「安心」を提供している。「セコム・ホームセキュリティ」は、自宅に設置したセンサーが異常を検知するとセコムに通報。全国約2,700カ所にある緊急発進拠点から緊急対処員が駆け付け、適切に対処してくれる。

　セコムについて少し説明しよう。

　セコムは、１９６２年に飯田亮氏が日本で初めて警備保障会社として創業。1966年には日本初の企業向けのオンライン・セキュリティシステム、1981年には家庭向けにホームセキュリティシステムを発売、「安心を売る」という画期的なサービスを提供している。

　1989年には「社会システム産業」の構築を宣言。「安全・安心」で「快適・便利」なサービスを社会に浸透させることに注力。セキュリティ事業を中心に、防災、メディカル、保険、BPO・ICT事業など幅広く展開している。

　そして「社会システム産業」の構築を一層加速するために、2017年に「セコムグループ2030年ビジョン」を策定。「変わりゆく社会　変わらぬ安心を」を掲げ、パートナーとの共想戦略で、「あんしんプラットフォーム」の構築を推進している。

時代のニーズに合致したサービスを展開

　新サービス発表の記者会見に先立ち、尾崎一郎社長がセコムの取り組みについて語った。

　今回の「安否みまもりサービス」は「あんしんプラットフォーム」具現化の一環。こうしたサービス提供の背景には、高齢者を抱える世帯が全世帯の49.6%とほぼ半数に上ること。また、高齢者単独と高齢者夫婦のみの世帯の比率が年々増加、2019年には61.6%に達する。

　さらに介護者自身も高齢化が進み、「老々介護」状態が年々進行しているという日本の現実について言及。

　セコムとして、これまでは「異常時の駆けつけ」を軸にみまもりを提供してきたが、今後は平時においてのみまもりニーズの高まりに応え、先端テクノロジーを取り込み、人とテクノロジーの融合で、お客様のニーズに沿ったサービスを展開していきたいと熱く語った。