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【社長のおしゃれ2】池田ゆう

会社名や組織名・役職・内容につきましては、取材当時のものです。

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スーツのVゾーンから春色をとり入れて下さい

スーツのVゾーンから春色をとり入れて下さい

(企業家倶楽部2019年4月号掲載)

 2月も終わりに近づき、服装に春を取り入れたいと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、そうはいってもまだまだ寒さは厳しいので、服装に悩む時期です。そこで今回は、春を意識したスーツスタイルに変えるポイントからお話しましょう。

 一番のポイントはVゾーン、つまりシャツとネクタイに春色をとり入れることです。淡い水色や桜色などのパステルカラーを加えると、ぐっと春らしくなります。シャツは身頃に色柄を使い、襟と袖が白いクレリックシャツもお勧めです。身頃にパステルカラーを持ってくると、襟の白との色合いがとても春らしい印象を与えます。

 スーツスタイルで一番差をつけやすいのはVゾーンですから、ぜひシャツとネクタイには投資してみてください。投資といってもそんなに値が張るものではありませんし、たまには白いシャツはやめて、きれいな春色のシャツを買ってみるのも楽しいものです。シャツとネクタイを選ぶ際のポイントは、色柄の中に少しでもスーツと同系色が入っているものを選ぶこと。そこに注意してVゾーンを演出して下さい。

 Vゾーンの演出次第で普段仕事で着ているスーツが、取引先との会食や、家族との食事の時にも使えます。シーン別に服装を変えておしゃれに見せたいと思っても、出社時に別のスラックスを持っていくのは面倒ですよね。でもVゾーンのコーディネートで印象が変わるのです。例えばパーティの時はウィングカラーシャツに蝶ネクタイをすると、ぐっと華やかになります。奥様と食事をされる時には、タートルネックのセーターへ着替えれば、気分も和らぎ、余暇の時間をより楽しめると思います。「今日はこれを着るよ」と出かける前に見せておけば、奥様もそれに合わせた服装を選んで来られるはずです。

 男のおしゃれにはルールがあるもの。服装は毎朝じっくりと自分で選びたい。でも、奥様や娘さんに意見を聞くのも良いですね。奥様や娘さんの「かっこいいね」の一言がおしゃれの源です。相談してみたら、自分では気付かないアドバイスや、「今日は寒いから、下にはこういうものを着たほうが良い」なんて細かい点にまで気を配ってくれるでしょう。また、これは家族とコミュニケーションをとる非常に良い方法です。是非いろいろな角度からファッションを楽しんでいただきたいですね。

 ただ気をつけて欲しいのは、清潔であることがおしゃれの基本であること。どんなに美味しい食事も、楽しい会話も口臭がしただけで、台無しになってしまいますから、退社時には必ずうがい・洗顔をすることを忘れないで下さい。マウスウォッシュや洗顔料、化粧水などを会社においておくか、携帯することをお薦めします。

 もう一つ、ここまで気をつけてもらえたら最高なのは、靴下を換えること。靴下も夕方になるとだらしなくなってしまっていますから、新しいものに取り換えた方がベターです。朝、家を出るときに予備を持って行くか、急な予定が入った時のために会社に何足か置いておくことをお薦めします。夕方になって溜まってきた仕事の疲れを一度さっぱり洗い流してから、楽しいオフのひと時を過ごして下さい。身だしなみのマナーもビジネスマンには非常に重要であることを忘れないで欲しいと思います。

池田ゆう

ファッションデザイナー。(社)日本メンズファッション協会理事長、ベストドレッサー賞選考委員長、(社)日本プロゴルフ協会学術委員。各界著名人や企業経営者の服装コンサルタントも多数手掛けている。著書に「人は見かけによるのです。」(銀河出版)がある。http://yuhikeda.com 

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