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第二部
「第24回企業家賞&記念講演会」が11月19日、日比谷のプレスセンターホールで開催された。企業家賞は1999年の第1回開催以来、これまでに136人の受賞者を輩出。企業家大賞にはエイチ・アイ・エスの澤田秀雄社長、ファーストリテイリング柳井正社長、ソフトバンク孫正義社長ら、日本を代表する企業家が受賞している。(役職は受賞当時のもの)
今年は企業家賞として、(株)クラウドワークス社長兼CEO吉田浩一郎氏、(株)cotta社長黒須綾希子氏、(株)Laboro.AI 代表椎橋徹夫氏、ノベーション賞にはアイリス(株)社長沖山翔氏、若手ベンチャーを表彰する企業家賞NEXTには(株)メディアエイド代表九島遼大氏が選出された。記念講演会・授賞式、パーティの様子をリポートしよう。 (三浦千佳子)
第24回企業家賞に輝いた面々
受賞者が熱血講演
11月19日夕方、東京・日比谷のプレスセンター10階ホールには、多くのビジネスパーソンが集まっていた。第24回企業家賞授賞式&記念講演会が始まるのだ。主催者の企業家倶楽部社長の徳永健一の挨拶の後、登壇したのは、若手ベンチャー向けに創設した「企業家賞NEXT」に輝いた㈱メディアエイド代表九島遼大氏である。
SNSについて語る九島遼大氏
九島氏は24歳、東京慈恵会医科大学の学生だ。 2020年よりTikTokに本格参入。 医大生インフルエンサーとして1年間で約30万人のフォロワーを集めた経験から、法人向けにSNS運用代行事業を開始。2021年4月に㈱メディアエイドを設立した。九島氏は「時代はWEBからSNSへ「最適な今の時代のメディアハックとは?」と題して講演した。
「今や情報のインフラはWEBからSNSにシフト、若者の間ではSNSが必要不可欠なツールとなっている、特に採用に於いてはSNSが主流。WEBが情報の流れが一方向なのに対してSNSは双方向で動画がベース、当社はSNSというメディアのアップデートを実現する会社として330社と取り組みを実施。2027年に株式上場を目指している」と、熱く語る九島代表の講演に、会場からは大きな拍手が送られた。
最新のAI事情について椎橋代表が講演
次は第24回企業家賞に輝いた㈱Laboro.AI 椎橋徹夫代表が登壇した。椎橋代表は米国州立テキサス大学を卒業後、ボストンコンサルティンググループに参画。 その後、東大発AI系のスタートアップ企業に参画、AI事業部の立ち上げをリード。 東京大学の松尾豊研究室で、活躍、同時に東大発AIスタートアップの創業に参画、2016年にLaboro.AIを創業した。2023年には東証グロースに株式上場、クライアントとオーダーメイドのAI,を開発、共にイノベーションを推進していくことを仕事としている。
この日は「全ての企業家に共有したい、AIに関する”状況認識”」と題して講演した。
AIの現状について語る椎橋代表
「AIで何ができるのかということで、主に自社の業務効率化に使いたいと思っている方が多いが、実は進化が早く、ここ1年で地殻変動が起きている」と語る椎橋代表の言葉に、会場は静まり返る。
2030年ごろまでに、人間の知能を上回るといわれるAGIは世界のデータではもっと早い。AIがチャレンジしている最難関テストは1年を経たずして人間を上回った。実はIQよりEQ(心の知能指数)はさらに大きく人間を超えているのです。2024年のノーベル化学賞は、実はAI,が獲ったといっても過言ではないのです。AIを一人の人間として扱うということには至っていないが、AIの進化の速さに驚いているというのが現状。
AIの脅威については、「人間よりずっと賢い存在になった場合、安全保障上、人類史上最大の課題になり得る」との椎橋代表の言葉に会場はさらに静まりかえる。
我々企業家として、「どの社員よりも優秀な社員が大量に生まれる?」 これを前提として経営している企業家はまだいないが、可能性を考える必要がある。組織のあり方が激変、事業のポジションをどうするのかを考えていく必要がある」と力強く語った。
AIが次世代には必須となることは予測していても、実際はどうなのかをデータを使って語ってくれたた椎橋代表に、会場からは感嘆の眼が向けられた。椎橋だいひょうのプレゼン資料をスマホで撮影する参加者も多かった。そしてAIの最新事情について語ってくれた椎橋社長に、賞賛の拍手が沸き起こった。
今の時代を牽引する5人の企業家が受賞
17時30分からこの日のメインイベント、企業家賞授賞式が始まった。受賞の条件を紹介しよう。
企業家とは、既成概念に囚われず困難な道に果敢にチャレンジしている経営者。
① 高い志を持ち、企業家精神を発揮し、新しいことにチャレンジしている。
② 社会貢献的要素の高い事業を展開、世界ブランドを目指している。
⓷斬新な発想を持ち、創造力溢れる新しい経営システムを構築している。
プレゼンターは、名誉審査委員長のエイチ・アイ・エス創業者の澤田秀雄氏である。5人の受賞者は一人ずつ受賞理由を紹介され、賞状と記念の有田焼の皿を授与される。そして澤田審査委員長と共に写真に納まる。どの顔にもとびっきりの笑顔がこぼれる。5名の受賞者と受賞理由を紹介しよう。
「企業家賞クラウドソーシング革新賞」㈱クラウドワークス社長兼CEO 吉田浩一郎氏
【受賞理由】
早くから企業と個人をつなぐオンライン人材マッチングプラットフォームを創造、個人のための新しい働き方のインフラを提案。ミッション「個のためのインフラになる」を掲げ、個人の視点から見た社会の最適化推進に邁進。この道の草分けとして、時代に合ったビジネスインフラづくりにチャレンジしていることが評価された。
「企業家賞卸業流通革新賞」㈱cotta社長 黒須綾希子氏
【受賞理由】
旧来の製菓・製パン材料の卸業を営んでいた実家の事業を変革、ECサイト「cotta」の革新に着手。小ロットで早くて、使い勝手の良いサイトを創り上げ、圧倒的人気サイトに押し上げた。、旧来型の卸業を変革し、ECサイトを本格的ビジネスインフラに革新する着眼点と実行力が評価された。
「企業家賞AIイノベーション創造賞」㈱Laboro.AI代表兼CEO椎橋徹夫氏
【受賞理由】
「テクノロジーとビジネスを、つなぐ」「すべての産業の新たな姿をつくる」をミッションに掲げ、最先端AIシステムのオーダーメイド開発やコンサルティング事業を推進。まだ世の中に理解されにくく、普及途上のAI技術をより身近にし、ビジネスイノベーション実現のために心血を注いているその発想力と実行力が評価された。
「イノベーション賞AI医療機器革新賞」アイリス㈱社長 沖山 翔 氏
【受賞理由】
医療への可能性をテクノロジーの力でひらきたいと、AI医療機器の開発・販売に邁進。AI搭載の咽頭内視鏡システムがインフルエンザ診断の保険適用となり世の中に貢献。救急医療、離島医経験者だからこその最先端医療システム開発とチャレンジ精神が評価された。
企業家賞NEXT ㈱メディアエイド 代表 九島遼大氏
【受賞理由】
「すべての人に、必然の出逢い」を実現できる世界を創造することをミッションに起業。消費活動や企業活動がWEBからSNSへ移行することを商機と捉え、動画とアルゴリズムでソーシャルメディアをビジネスインフラにすることに邁進。「企業総発信時代」を牽引する先見性とチャレンジ精神が評価された。
授賞式の後は受賞者一人ひとりが喜びの挨拶と自社のプレゼンを実施した。各社の独創的で斬新な取り組みに、会場からは「やはり受賞会社のアイデアとチャレンジ精神はスゴイ!」と賞賛の拍手が贈られた。
そして記念撮影。受賞者と駆けつけてくれた歴代の受賞者がにこやかに写真に納まった。
歴代受賞者と共に記念撮影
19時からは記念パーティを開催、ベステラの吉野佳秀会長の音頭で祝杯を挙げた。この日は東京ニュービジネス協議会会長の井川幸広氏、ラークジャパンの竹内彰執行役員、ストライクの荒井邦彦社長、サインポスト蒲原 寧社長、ランクアップの岩崎裕美子社長、クラダシの関藤竜也会長、アクセルスペース中村友哉社長ら歴代の受賞者が挨拶。最後はカート橋本雅治社長による嵐の三本締めで賑やかに終了、終始和やかに執り行われた。