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第22回企業家賞授賞式

第22回企業家賞授賞式

第22回企業家賞が11月29日都内で開催された。コロナ禍で開催を自粛していたが、3年ぶりに復活した。企業家賞は1999年の第1回開催以来、これまでに125人の受賞者を輩出。企業家大賞にはエイチ・アイ・エスの澤田秀雄社長、日本電産永守重信社長、ファーストリテイリング柳井正社長、ソフトバンク孫正義社長ら、日本を代表する企業家が受賞している。  

今年は企業家賞として、㈱レノバ社長CEO木南 陽介氏、㈱ストライク社長荒井邦彦氏。イノベーション賞にはハドラスホールディングス㈱社長山本英明氏、チャレンジャー賞には相模屋食料㈱社長鳥越淳司氏が選出された。  

記念講演会&授賞式、パーティの様子をレポートしよう。 


■企業家賞受賞者が熱く語る 

東京・日比谷のプレスセンターには多くのビジネスパーソンが集まっていた。第22回企業家賞&記念講演会が始まるのだ。主催者の企業家倶楽部社長の徳永健一の挨拶の後、記念講演の前座を務めたのは、㈱Unpacked(アンパックド)の小嶋彗史社長である。

25歳の若手社長の登場に会場からは大きな拍手が贈られる。18歳以下の意欲ある若者1万人を束ね、日本最大のU18キャリアイベントを主催するなど、さまざまな活動を展開しているという。

「僕は小学2年生の時に経営者を志し、大学1年の時、1社目を創業したが失敗。ある高校生と出会い、探究型学習の可能性と日本のU18世代の可能性に気づき、探究型学習のインフラを創ろうとUnpackedを3年前に創業しました。

徳永社長と出会い、企業家精神が重要という目指す方向が合致していることから、一緒に教育事業を創っていこうということになりました。今のU18の弱点は、憧れとの出会いが少ないことです。憧れとの出会いをつくり、自分の夢を叶えられるインフラをつくりたい。そして日本を支える企業家を輩出したい。次回はぜひ若手企業家賞をつくって頂きたいと思っています」と、熱く語る小嶋社長の話に、会場は拍手喝采。そして次回の企業家賞が楽しみとの声がささやかれた。

そしてこの日の企業家賞受賞者、レノバの木南陽介社長が登壇した。

講演タイトルは「自然と、あなたと、ともに未来へ」だ。

「学生時代から、環境課題とビジネスの両面に携わり、環境ビジネスでの起業を志し、2000年に25歳でレノバを創業しました。太陽光やバイオマス、風力など再生可能エネルギーの発電事

業を展開してきました。現在はソウル、ジャカルタ、マニラなどアジア5拠点に展開しています」

 25歳でクリーンエネルギービジネスに乗り出し、アジアにも展開しているという木南社長の話に、会場は静まりかえり熱心に聞き入る。

 「わが社のミッションはグリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し、社会的課題を解決すること。ビジョンは日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディングカンパニーになることです」

 エネルギー問題解決に向けて真摯に語る木南社長に、賞賛の拍手が沸き起こる。

続いてストライクの荒井社長が登壇。講演テーマは「世界を変える仲間をつくる」である。M&Aで未来を創りだすことに邁進する荒井社長。特に日本の大きな課題でもある事業継承問題を、M&Aで解決している立役者である。

「地方を回って地元と有力企業を合わせて、継承問題を解決しています。山陰のプロバスケットチーム「スサノオマジック」をバンダイナムコに引き受けてもらいました。今や大変強いチームとなり、地元で愛されています」

「鎌倉の老舗菓子店『鎌倉ニュージャーマン』をモロゾフに引き受けてもらいました。価格改定を実現、店舗も改装し、再び鎌倉の銘品として支持されています。こうした事業継承の裏側に自分たちがいるということです。黒子に徹しているのであまり知られていませんが・・・」

 誠実に淡々と語る荒井社長の話に、M&Aこそが事業継承の救いの神と、改めて納得する会場。感謝の大きな拍手が贈られた。

18時からこの日のメインイベント、授賞式が始まった。
ここで受賞の条件を紹介しよう。

 企業家とは、既成概念に囚われず困難な道に果敢にチャレンジしている経営者。

 ①高い志を持ち、企業家精神を発揮し、新しいことにチャレンジしている。

 ②社会貢献的要素の高い事業を展開、世界ブランドを目指している。

 ③斬新な発想を持ち、創造力溢れる新しい経営システムを構築している。

 

プレゼンターは名誉審査委員長エイチ・アイ・エス社長の澤田秀雄氏である。

4人の受賞者は一人ずつ受賞理由を紹介され、賞状と記念の有田焼の皿を授与される。そして澤田審査委員長と写真に納まる。どの顔にも緊張と笑顔がこぼれる。

4名の受賞理由を紹介しよう。

◆企業家賞 「クリーンエネルギー創造賞」レノバ社長 木南 陽介氏

【受賞理由】 エネルギー問題は日本の最重要課題。木南社長は早くからこの問題に着目、クリーンエネルギーの開発を手掛けてこられた。大切なこととわかっていても、なかなか実行が伴わないこのエネルギー分野に、果敢にチャレンジしてこられたその高い志と手腕が評価された。

 

◆企業家賞 「M&A未来創造賞」 ストライク 社長 荒井 邦彦氏

【受賞理由】 M&Aのプロとして、日本が抱える事業継承問題を支え続けている。買収される側、買収する側、双方に寄り添い、真摯に向き合いながら、M&Aを成功させている。その真摯な仕事ぶりが業界からも高く評価されている。


◆イノベーション賞「コーティング素材革新賞」 ハドラスホールディングス社長 山本 英明氏

【受賞理由】 長年の建築・塗装工事業の技術を生かし、ナノテクノロジーを駆使した画期的なガラスコーティング剤「ハドラス」の開発に成功。ハドラスは抗ウイルス・抗菌など画期的なガラスコーティング剤として世界から注目されている。そのイノベーティブな技術開発力とチャレンジ精神が高く評価された。


◆チャレンジャー賞「「豆腐テック推進賞」 相模屋食料社長 鳥越淳司氏

【受賞理由】 日常の食生活に欠かせない豆腐だが、最近はどんどん進化。その進化を牽引しているのが相模屋食料。ガンダムのザクとうふや、ビヨンドトウフのウニ豆腐を開発。また優良なたんばく源として豆腐バーなど、豆腐の可能性を追求、日本の食卓に貢献していることが評価された。

続いて受賞者一人ひとりから喜びの声が語られる。

ハドラスの山本社長からは、塗装業からスタート、現在に至る苦労話が語られた。そして相模屋食料の鳥越社長からは、粛々と豆腐製造に励んでいることが語られ、会場からは拍手が沸き起こった。

そして澤田審査委員長からは、3年ぶりに企業家賞が復活したことへの喜びと、受賞者の弛まぬ努力に対する労いの言葉がかけられた。

最後に受賞者と審査委員が記念写真に納まり、授賞式は無事終了した。

19時から記念パーティが始まった。

澤田秀雄審査委員長の音頭で祝杯を挙げた。受賞者は緊張がほどけ、笑顔がこぼれる。この日は歴代審査委員である元日本経済新聞社論説副主幹の三橋規宏氏やレノバの千本倖生会長、東京ニュービジネス協議会会長の井川幸広氏、第18回企業家賞受賞者のベステラ吉野佳秀会長らが挨拶し、終始和やかに執り行われた。

3年ぶりに再開した企業家賞。既に次回に向けて準備が始まっている。Z世代の受賞枠も1つ新設されることが決まった。さて、来年はどんな素晴らしい企業家が受賞するのか楽しみだ。

(副編集長 三浦千佳子)

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