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2024年のサブスク大賞1位はAI英会話のスピークバディ


  昨今、さまざまなサブスクビジネスが普及、日常生活に浸透し、生活を便利に豊かにしてくれている。2024年12月4日、2024年の最も優れたサブスクサービスを表彰する『日本サブスクリプションビジネス大賞2024』表彰式が都内で開催された。
今回で第6回目となるが、多数の応募企業から、グランプリ、シルバー、ブロンズ、特別賞など 9つのサブスクサービスが表彰された。2024年はどんなサブスクビジネスが選出されたのかご紹介しよう。
 (レポート三浦千佳子)

『日本サブスクリプションビジネス大賞2024』に輝いた面々


主催は一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会(代表理事:佐川隼人氏、以下サブスク振興会)だ。同会ではサブスクビジネスの活性化を目指し、毎年その年の優れたサブスクビジネスを表彰している。各サブスクビジネスは自ら応募する自薦方式だが、審査基準は『お得』『悩み解決』『便利』『新規性』『成長性』『安全性』の6つの要素で厳正に審査された。
この日のプレゼンターはサブスク振興会の町野健新会長が務めた。

■【グランプリ】はAI英会話アプリ「スピークバディ」


グランプリに輝いたのはAI英会話アプリ「スピークバディ」を提供する㈱スピークバディである。AIの相手とストレスフリーで英会話ができるAI英会話アプリを提供。音声認識、会話AI、デジタル音声等の技術を活用することで、人間相手でしかできなかった英会話を、いつでもどこでも、低価格で緊張することなく効率的に学習できるというもの。学習コンテンツは「第二言語習得理論」に基づいており、高い学習効率を実現。会話生成AIの技術を活用してフリートークも可能という。既に400万ダウンロードを突破、100社の企業や団体で導入されている。この日はグランプリとして賞金100万円が贈呈された。

グランプリに輝いた㈱スピークバディ立石剛史CEO 左はサブスク振興会新会長町野健氏

【シルバー賞】
離乳食・幼児食サービス「the kindest」を展開する㈱MiLが選ばれた。子供の月齢だけでなく、一人一人の食の好みや、アレルギー対応に合わせて商品を届けるサービスを展開。「赤ちゃんからの食育」をテーマに、小児科医・管理栄養士・シェフと共同開発した商品を販売している。

シルバー賞に輝いた(株)MiL


【ブロンズ賞】
ジギョナリーカンパニー㈱が手がけるデジタル資産継承サービス「akareco」である。自身が持つネットバンクや仮想通貨、スマホ・PC、サブスクサービス等のログイン情報を生前から登録・保管しておくことで、死亡(や認知症)時、任意の人に継承することができる「デジタル資産継承」サービスを展開。デジタルアカウントが増加し、家族が存在を知らないことで発生する相続・解約トラブルを防ぐことができる。

ブロンズ賞に輝いたジギョナリーカンパニー


【振興会特別賞】
サブスク型新車カーリース「ニコノリ」を展開する㈱MICが選ばれた。「ニコノリ」は車検・税金・メンテナンスなどがコミコミの定額で新車が乗れるカーリース。初期費用0円で月々5,500円から気軽に車に乗れて、余計な出費の心配がないというもの。車の維持費の悩みがなくなることが評価され、いま急速に広まっている新しい車の乗り方という。


【日本ネット経済新聞賞】には自立の株式会社が提供する知育玩具のサブスク「Cha Cha Cha」が選出された。これは0~6歳までの子供に向けた知育玩具のサブスクサービスで、保育士等の有資格者が子供に合わせた知育玩具を2カ月に1回届けるというもの。1回の配送で17,000円相当分の玩具を月額3,910円から利用可能。基本プランの他に、障がい児に特化したプランなども用意している。


■特別賞は4社

今回は4社が特別賞を受賞した。サービスと企業名は次の通り。

「MedicalTalk Global」  ㈱ iMedical
インバウンド旅行者、加齢性難聴者、先天性聴覚障害者等の医療通訳支援ソリューションサービス。多言語ややさしい日本語にも対応、医療課題をサポートするSaaS型サービス。

「AIロボットのサブスク」 AZ日本AIロボット㈱
日本の社会問題である「少子高齢化」「労働力不足」「地方衰退」を、AIロボットのサブスク活用で普及し、解決しようというサービス。人間とロボットが協力する社会づくりを実現。

「はたけビュッフェ」 ㈱ノーティスト
農家は畑で野菜を生産し、消費者はそこから自分で野菜を収穫する。月定額で野菜が365日採り放題になる収穫サブスクサービス。

「ZenPop」  ZenGroup㈱
1年プランで月額約25ドル、月に1度、オリジナルの箱に9種の商品が届く。「Japanese」「Limited」「Inspiring」というコンセプトのもと、ZenPopの文房具ボックスを提供。

■日常生活を革新するサブスクが多数エントリー


このサブスク大賞は、その年の最も優れたサブスクサービスを表彰するアワードだが、昨今のサブスク市場は、従来の動画・音楽・アニメといったエンターテイメントの分野だけではなく、ジャンルを問わず幅広い業界に拡大していることが特長。特に2024年はAIアプリや子供向け、デジタル資産継承、農業など、消費者の生活を根本から変革する可能性を秘めたサービスのエントリーが多数あった。



■サブスク振興会として新サービスを実施


サブスク振興会ではサブスクビジネスの更なる活性化を目指し、2023年には「サブスビジネスに関するガイドライン」を策定、正しいサブスクビジネスの普及に努めている。さらに2024年12月からはサブスクサービス運営のトップ企業10社によって構築された、共創型不正情報共有プラットフォーム『SubsCield(サブスクシールド)』の提供を開始した。これは「EC(電子商取引)やサブスク業界で度々問題視されている「不正利用」についての課題を解決するサービスで、同振興会でしか実現できないサービスとして、不正利用を一網打尽にできる」と町野新会長は熱く語った。

サブスク振興会はサブスクビジネスの日本国内の振興を目的として 2018 年 12 月に設立。日本のマーケットに浸透させるべく、情報やノウハウ、事例など成功に必要な情報を提供している。会長は1年毎に交代するが、他の理事も含め、手弁当で奮闘している。サブスク振興会の熱心な活動のおかげで、多岐にわたるサブスクビジネスが普及。毎年行われるサブスク大賞は多くのメディアに取り上げられ、注目されている。理事の面々の熱い志と行動力に感謝すると共に、2025年はどんなサブスクビジネスが登場するか、期待したい。

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